――学校をとりまく状況をどう見られていますか?
これまで学校に対する親の要望は、だいたい「元気に通ってくれれば」程度のものでした。それが、右肩上がりの経済成長のなかで、学校に対する要望も多様になってきました。抽象的に言えば「上手に育ててください」という要望、具体的には「成績をあげてほしい」「しつけてほしい」などの要望です。要望が多様化したということは、親たちの不安が多様化したとも言えます。ちょうど学校自体の求心力が揺らいできた90年代ごろに、それが顕著になりました。
こうした価値観の変動を学校側が充分に把握できず、すでに80年代から、教員の過剰な自信の裏側で学校の崩れが見え始めていました。そこに総合学習や学校週5日制などの変化があり、いつからか学校が「子どもを一人前にする」という従来の役割を果たせなくなりました。10年ほど前の資格ブームのとき、意味のなさそうな資格にまで、みんなが受験したということが、学校の評価を表していると思います。
インタビューに答えて頂いた岡崎勝さん(小学校教員)
インタビューに答えて頂いた岡崎勝さん(小学校教員)
――教育改革についてはどう思われますか?
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