たびたび、いじめ自殺が報道されている。いじめられていた人はこの報道をどう見ているのだろうか。4人の子供に参加してもらい、緊急座談会を開いた。
――どんないじめを受けたのでしょうか?
富山雅美(17歳)
中学生になってから急に無視され始めました。どうして無視されるのか、全然、わからなかったですね。いじめられていることには、どんどん敏感になって、学校に行くのが怖くなって、たびたび休んでました。
先生は休むたびに「悪いところを直したら行けるわよ」って説得に来てました。先生としては、いじめる子もいじめられている子も「平等に直れば」と思っていたのかもしれないですね。
しばらく休むようになって、テストだけ受けに行った日があるんです。でも、教室のなかで友だちの声を聞いてたら、なんか頭のなかが真っ白になってきて「もう飛び降りて楽になっちゃおう」って。結局、なにもしなかったけど「これ以上、学校にいちゃいけない」って、そのときに決めました。
矢部愛弓(18歳)
物を隠される程度のいじめは一年生から始まってました。年々、エスカレートして、いじめる子たちのグループからは「死ね」とか「ブス」とか、そういうことはよく言われました。あるとき、いじめる子から「ポケモンカードを渡したら、もういじめない」って言われたんですね。それで、私はすごく悩んで友だちにも相談して、やめようかとも思ったけど、結局、カードを渡しました。それでも、いじめはなくなりませんでした。むしろ、そのことを先生が知ったため、私は「チクった」と思われて、もっといじめられるようになりました。
5年生ぐらいになると、もうクラス中から無視されるようになってました。それまでも先生に相談しても何も変わらなかったですが、5年生の担任はすごかったです。その先生は、授業を潰して、急遽、学級会を開いたことがあります。テーマは私の「いじめ」についてです。学級会で、先生が「矢部さんのいやなところ、やめてほしいことを挙げてください」って言ったんですね。それでクラスの子は挙手していろいろ言いました。すごくつらかったです。その後「今度は矢部さんのいいところを書きましょう」って、みんなにメモ用紙に書かせたんですね。そのメモ用紙は私に渡されましたが、もう充分に傷ついたし、いまさら書かされた「いいところ」なんて見たくもない。それがきっかけで学校には行ってません。
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