◎連載「不登校きほんのき」第16回
リストカットをする人には、境界性人格障害や統合失調症などの精神的な疾患がある場合があるという本も巷に出ています。そういう本を鵜呑みにして、すぐに精神科の医療機関に連れて行くと、そのまま抗うつ剤や向精神薬が投与され、子ども本人がたいへん傷つく結果になりますので、まずは親が子どもの声を受けとめ、家庭や学校、社会のあり方を見直すため、親子でいっしょに話し合ってみましょう。
なかには失恋などが発端になって、衝動的になって他人の注目を浴びたいとか、何かの失敗や挫折を契機に、自分の評価を気にしたり、自尊心が傷ついたという表面的な理由を述べるケースもありますが、ほんとうに死にたいと思ってリストカットする人はごく稀です。どんな場合でも自分自身のおかれている立場が危機的な状態にあって、クライシスコールをしていたり、そのための現実逃避の傾向があることが多いようです。
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