【巻頭コラム:かがり火】 年の暮れのある夜。都心と東京近郊をつなぐ電車。夜11時に近いけれど、朝のラッシュのような混雑だ。人々は疲れた顔をして、立っていても座っていても、一様に下を向いてスマホをいじっている。

 そこへ少年3人が乗り込んできて、私の前に立った。塾帰りだとすぐにわかった。「やっとゲームできるよ」「腹減った、部活が延びただろ。夕飯、持たされたけど食べるヒマなかった」「帰ってからまだ宿題あるな」「明日はまた6時起きだ」ゲームから寸時も手を離さずしゃべりあっている。

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