連載「ひきこもり時給2000円」vol.20


 いまから16年前。東京から新宿駅に向かうJR中央線のなか、僕は何度も吐き気に襲われていた。これまで経験したことのないような気分、これまで経験したことのないような吐き気。「なぜだろう?」と不思議に思っていた。「なんでこんなに吐き気がするんだろう?」。
 
 でも、心当たりはひとつしかない。これから新宿で行なわれる飲み会。高校と大学時代の友人との集まり。僕をのぞく3人は大学を出て就職している。たぶんスーツ姿だ。しかし僕はそうではない。25歳にして無職。就職どころか、フリーターにすら手が届かず。どうしたって、そんな自分を彼らと比べてしまう。いったいどんな顔をされるんだろう? 何か否定的な言葉やまなざしを向けられるんだろうか? 正直、気が気ではなかった。飲み会が楽しみとか、そういう前向きな気分ではまったくない。


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