不登校新聞

347号(2012.10.1)

豊かな社会への“かすかな光” 教育学者・大田堯

2013年12月20日 18:22 by kito-shin
2013年12月20日 18:22 by kito-shin


7月8日「(仮称)オルタナティブ教育法を実現する会」の設立総会が開催された。同会は、フリースクールやシュタイナー教育、外国人学校、ホームエデュケーションなど、既存の学校教育以外の、多様な子どもの学び・育ち方を公的に認め、支援を求めるための活動をしている。今号では設立総会当日、同会発起人である教育学者・大田堯さんからの映像によるメッセージを掲載する。

今日は、「オルタナティブ教育法を実現する会」の設立総会ということですが、わが国の教育は「フォーマルな教育」というか、学校教育、そしてその制度というのが国益に沿う、ほとんど圧倒的な支配力でもって教育を制御していきたという歴史と現実があります。

そうしたなかで、オルタナティブな教育のあり方を探求するということの意味は、この「フォーマルな教育」の持っているいろいろな問題点を突破する一つの鍵になるような大きな問題提起であると私は考えております。

私たち人間はそもそも、遺伝子をのせた「DNA」というダイナミックな設計図を内面に持っています。それは一人ひとり、姿かたちも異なる、天から与えられたものです。その設計図をユニークに開いていって、そして自分らしい自分をつくりあげて社会貢献をする。こういう筋道でそれぞれが成人をするわけですが、一人ひとり持っているユニークな設計図に対応するのには、「フォーマルな教育」だけでできるわけでなく、かえってフォーマルであるために、いろんな犠牲を子どもや大人に求めることが現に起こっています。
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