欠席でも出席扱い?
2005年は、前号まで紹介した高認にかぎらず、不登校対策関連において従来より規制緩和されたものがいくつもある。
「不登校児童生徒が自宅においてIT等を活用した学習活動を行なった場合の指導要録上の出欠の取扱いについて」という通知も、その一つであった。文科省初等中等教育局長・銭谷眞美氏より、7月6日付けで、全国の教育長、知事、大学学長あてに出され、関係機関に充分周知するように述べられている。
これを知ったとき、筆者はひどく驚いたものだった。不登校で学校を欠席していても、自宅で学習すれば出席扱いする、というのである。一定の条件は付いている。しかし、これまで長いあいだ、学校へ出席させることに大変な腐心をしてきた文科省ではないか。この歴史欄でも見てきたように、何とか登校させようとして、首に縄を付けてでも引っ張り出そうとしたり、教師や級友が迎えに行ったり、親と同伴登校させたりしたではないか。子どもの心や状態よりも、「学校に体を置く」ということに強くこだわってきた国の政策ではなかったか。「校門タッチ」といって、校門の中に入れない子を、門まで来てタッチするだけでも出席にします、というやり方まであったではないか。それを、学校を休んでいる、つまり体を学校に置いていない状態でも「出席」とする、というのである。欠席が出席なのであるから驚く。
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