不登校新聞

433号 2016/5/1

都の不登校対策、報告書まとまる

2016年12月13日 18:22 by kito-shin
2016年12月13日 18:22 by kito-shin


 東京都の「不登校・中途退学対策検討委員会」は1年間、検討してきた内容を2016年2月にまとめ、94ページの報告書を発行した。すでに2016年4月から都は報告結果を受けての取りくみを初めている。
 
 委員会は、学識経験者、心理・福祉・労働問題などの専門家、警察、教育委員会、小・中・高の教員、校長、フリースクールや若者支援団体など18名で構成。これまでと異なるのはフリースクールや若者支援団体が入ったことだった。筆者は、東京都でフリースクール、親の会を初めて30年、都からはあまり歓迎されない空気が長かった。しかし、国の動きの影響もあり、今回、筆者も委員として委託された。しかもただメンバーに加えられただけでなく、たいへん自由な討議ができ、発言は報告結果にも、ある程度反映された。委員会の委員長は松田恵示東京学芸大学教授。委員会は小・中学校部会と高校部会にわかれ7回の部会を開催。5月、10月、2月には合同部会が持たれ、最終報告に向けての意見交換がなされた。その間、東京都からはさまざまな統計やアンケート結果が出され、筆者としても興味深いものが多かった。
 

子どもが苦しむ学校対応も報告

 
 はじめのうちは学校復帰の実践報告もあったが、フリースクールやホームエデュケーションの映像、居場所の必要性、子ども中心の学びのあり方、進路などについても発表ができ、子どもが追いつめられる学校の対応や親の会の大切さなどを指摘した。
この続きは1ヶ月無料のお試し購読すると
読むことができます。

関連記事

「不登校の要因はいじめ」子どもと教員、認識差に6倍の開き

624号 2024/4/15

東京都で2万円、富山県で1万5千円 全国の自治体で広がるフリースクール利用料の補助のいま

622号 2024/3/15

「不登校のきっかけは先生」、「不登校で家庭の支出が増大」約2800名へのアンケートで見えてきた当事者の新たなニーズ

619号 2024/2/1

読者コメント

コメントはまだありません。記者に感想や質問を送ってみましょう。

バックナンバー(もっと見る)

624号 2024/4/15

タレント・インフルエンサーとしてメディアやSNSを通して、多くの若者たちの悩み…

623号 2024/4/1

就活の失敗を機に、22歳から3年間ひきこもったという岡本圭太さん。ひきこもりか…

622号 2024/3/15

「中学校は私にとって戦場でした」と語るのは、作家・森絵都さん。10代に向けた小…