◎連載「不登校きほんのき」第10回
義務教育の小・中学校での不登校の場合、学校教育法は出席日数を進級・卒業認定の要件と定めていないので、1日も出席しなくても校長の裁量によって、子どもの家庭や学校以外の場での学びと成長を評価して進級・卒業を認めることができます。そのほうが子どもが将来、通信制や定時制高校、専門学校で学んだり、大学進学する機会を保障ことになるのです。
しかし、高校や大学での不登校(大学の場合、本来自由な学問研究の場ですから「不登校」という言葉はふさわしくありませんが)の場合は、少し難しい問題になります。それぞれ学則などで進級・卒業には一定の出席日数と単位を取得する必要があると定められているので、不足すると留年ということになります。
ただ、高校の場合には、いじめや教師の体罰などの不適切な扱いがあった場合に、校長との話し合いによって、レポート提出をもって出席と同等の扱いをして進級を認めた例もあります。学ぶことが本来の目的ですから、形式的に出席日数不足という理由だけで進級・卒業を認定しないのは不合理、不公平と考えられるからです。
高校・大学の場合に、難しいのは当人自身が「行かねばならない。行けない自分はダメだ。」というプレッシャーを自分に加えて苦しむことです。自分で選び、周囲の期待にも応えて進学したという意識があるために、自分を追い詰めてしまう傾向があるかもしれません。進学も自由に選んだ分だけ、そこから離れるのも自由な選択であり、自分の人生、それもありと考えたらよいのですが。
624号 2024/4/15
タレント・インフルエンサーとしてメディアやSNSを通して、多くの若者たちの悩み…
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