連載「ひきこもり時給2000円」vol.29


 前回のおわりにも書きましたが、僕には不登校の経験がありません。ひきこもりの経験はあるから多少語れるけど、不登校だとそうもいかない。講演とかを頼まれて、話の流れ上、不登校について話さないといけないことがたまにあるのですが、わりに気持ちがそわそわしてしまいます。じゅうぶんな知識や経験がなくて自信がないから、落ち着かない気分になってしまう。
 
 僕には不登校の経験はありませんが、だからといって、「学校生活が充実していて、毎日が楽しくてしかたがなかった」なんてこともなかったです。「学校、いやだな……」と感じることはよくあったし、小中ではいじめに近い経験もありました(そこまで陰湿ではなかったけど)。それにもかかわらず、僕が「学校に行かない」という選択を取らなかったのは、これはもう単純に、そんなことぜんぜん思いつかなかったからです。「学校には行くものだ」と頭から思いこんでいました。そのことを疑いもしなかった。「それもどうなんだ?」と、今では思いますけれど。
 
 ついこのあいだ、小学校から高校までの僕の生活を10点満点で点数化してみたのですが、こんなふうになりました。「小学校7点 中学校6・5点 高校8点」。中学は微妙だけど、「学校がいや」と思ったり、通えなくなってしまうほどではなかったかな。たぶん、担任の先生は嫌いでも友だちに恵まれていたり、クラスは微妙でも部活が居場所になっていたからだと思います。「◯◯があるから、ま、行ってもいいか」と思えるものがなかったら、学校に通い続けるのは苦行になっていたはずです。
 

「逃げろ」だけでは何かが足りない?

 
 毎年、夏休みやGWの終わりになると、学校に行きづらくなる小中学生、あるいは高校生が大勢出てきます。とくに9月1日。なかにはみずから命を絶ってしまう人もいる。


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