2004年は、社会的にさまざまなかたちで登校圧力がかかった年だったが、2005年は不登校にとって、どんな年だったのだろうか。
登校拒否を考える全国ネットワークは創設から15周年を迎え、夏の全国合宿を栃木県鬼怒川温泉で開催、「親の会の今まで、そしてこれから」として、渡辺位さんを迎え、大岡桂子、下村小夜子、山口由美子、奥地圭子など親の会世話人を交えてのパネルディスカッションを行なった。
この大会の講演タイトルと講師だけでも紹介すれば、時代が見える。この全国ネットは、いつも当事者から学ぶことを原点にしており、子どもと親のシンポジウムのほか、「登校拒否・ひきこもりを生きる…医療の現場から(高岡健)」、「学校に言いたいこと(内田良子)」、「居場所を子どもとともに考える(奥地圭子)」、「親の悩みを聞いて(渡辺位)」、「家で何してすごす」(宮川正文)、「日本の教育を外からながめてみよう(朝倉景樹)」などが取りあげられた。
不登校・ひきこもりを否定せず、登校圧力の時代に、それに引き込まれない抵抗勢力として、明るさや活気をみせていた。「抵抗勢力」という言葉は、筆者がいま使っているだけで、参加者や共感している人たちは、その言葉の持つ肩に力の入った様相と違い、「自分らしくやれるのがいいのよ」といったように、ごく自然体でおられたと思う。
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