参院選に向けて、不登校新聞では各政党に「いじめ政策」のアンケートを実施。回答を拒否した維新の会以外、8政党が回答。「いじめを受けた場合、『休んでもいい』と伝えることが必要か」を各政党に聞いたところ、自民をのぞく7政党が、その必要性を指摘した。

 自民は昨年末の衆院選のときには「緊急避難的に休むことが必要」だと指摘したが、今回は「一般論としてはいじめた生徒に対応すべき」と回答するにとどまっている。休息の権利の重要性を指摘した政党のうち、みんな、共産の2政党はさらに踏み込んで「当然、必要だ」と回答した。

 今後のいじめ政策を聞いたところ、先日、成立した「いじめ防止対策推進法」に同意した5政党(自民、公明、生活、民主、みんな)は、おおむね新法の実効性を高めるとした。一方、共産、社民は、新法ではいじめの根本問題を解決することはできないと指摘した。

各党のひきこもり政策は?

各党の不登校政策は?


各党の回答全文


質問① いじめについて、もっとも力を入れるべきと考える政策は?

(自民)家庭・学校が目配りをして早期に発見することだと思います。

(公明)いじめは、どの子どもにも、どの学校でも起こり得ることを十分に認識し、早期発見、早期対応に務めることが重要です。そのためにはスクールカウンセラーや児童支援専任教諭などの常時配置の推進、養護教諭の大幅増員など、相談しやすい環境を整備すべきだと考えます。また、関係機関、学校、家庭、地域社会などが一体となった取り組みも重要です。

(民主)「いじめ防止対策推進法」に基づき、子どもの命を守り、いじめや不登校に苦しむ子どもたちをなくします。学校において、いじめの兆候を見逃さず、把握したときは速やかに市町村教育委員会へ報告すること、市町村教育委員会は当事者としての責任をもって学校とともに適切な支援を行なうよう、文部科学省より通達を行なっています。学校、教育委員会、国などの関係者が一丸となって取り組むことが必要であると考えています。
(みんな)いじめ対策については、警察が対処すべき領域、精神医療やカウンセラーが対処すべき領域、学校が対処すべき領域など、具体的な事例別に対策を考える必要がある。一律に効果のある政策はない。個別具体的なケースバイケースの対応をしやすい体制を整える。学校や教員だけにいじめ対策を押し付けないことが大事だと考える。いじめ・体罰が見つかった場合、直ちに校長へ報告するとともに重大事案は自治体の長など、第三者の責任において調査や情報公開ができるようにするべきである。また、定期的な調査を通じて、いじめ・体罰など、学校生活上の問題を研究・分析し、教育現場に反映させるなどエビデンス・ベース(証拠に基づく)政策をとるべきである。

(共産)なにより「学校では子どもの心身や命以上に大切なことはない」ことをはっきりさせて、「いじめ」から子どもの命を守ることを「いじめ」対応の基本原則として確立することです。よりくわしい政策は昨年11月に発表した提案「『いじめ』のない学校と社会を」をご覧ください。あわせて「いじめ」をエスカレートする要因の「競争と管理」の教育や「弱肉強食」の社会の改革を提案しています。

(社民)安易に警察に頼ったり加害者を排除するだけの「外科的」対処だけではなく、背景にある根本原因への対策が必要です。そのために力を入れるべきは、教育現場にゆとりを持たせることと、外部の力を導入することです。学校まかせにするのではなく、家庭や地域、専門家の力を結集して、いじめ対策を進める仕組みが求められていると考えています。

(みどり)いじめの根本的な解決のためには子どもの生きてゆく力を高めることが必須であると考えています。大人が助けるという大人目線の発想ではなく、子どもがいじめという問題に自ら立ち向かい克服できるような強さを身につける教育の実践が必要です。いじめを見過ごさない、いじめられている子どもを助けようという子どもを増やすこともあわせて必要となります。

(生活)従来の教育行政では、早期の発見・対処に主眼が置かれていましたが、「いじめ防止対策推進法」では予防的観点からの対策も盛り込まれました。痛ましい多数の自殺犠牲者に報いるためにも法の実効性を高め、いじめが根絶されなければなりません。今後、各「基本方針」が策定されるにあたり、いじめは絶対に許されない認識が、広く国民に共有されるよう努めます。


質問② いじめを受けた場合「休んでもいい」と伝える必要があると考えますか?

(自民)個別の事案によって異なりますが、一般論として学校はいじめられた児童生徒が安心して教育を受けることができるよう、いじめた児童生徒を図書館などで個別に教育するなどの対応をすべきです。また、教育委員会はいじめた児童生徒に対し、出席停止制度を適切に運用するべきだと考えます。

(公明)子どもの状況や態様により「休む」という対応をとることが適切な場合もあると考えます。何よりも重要なことは、多様ないじめが起こっている実情を踏まえ、画一的な対応にとどまるのではなく、速やかに個々のケースに応じた適切な設置を講ずることがだと考えます。

(民主)緊急避難として、学校を休むことについては必要であると考えます。しかし、出席日数などとの関係もありますので、学校側がいじめのない環境づくりに努力し、学校に来られる状況づくりを進めることが必要だと考えています。

(みんな)当然必要だと思う。学校に行かなくても、社会に出て困らない学力を身に着けさせる手助けをとればよい。教育(あるいは学習)は、学校だけにとらわれるべきではない。

(共産)当然、必要だと思います。学校に行くのは子どもの義務ではなく、子どもの人間的成長のための権利です。学校教育に「子どもの権利条約」を基底にした、子どもの安心できる対等な人間関係のもとで生きていける権利を位置づけたいと思います。
(社民)いじめを避けるために「休む」という選択は認められるべきと考えます。ただし本来は、いじめられている側の子どもを休ませるだけでは本質的な解決にはつながらないので、基本的には緊急的避難的な対処にとどめるべきです。

(みどり)休んでもいいと伝えることは必要です。ただし、あくまでもその判断を子どもが下せるようにしなければなりません。

(生活)いじめが迫っている場合、あるいは継続したいじめにより、心身が限界状況であるなど、被害者の保護が緊急に必要な場合、不登校を許すこと、勧めることは必要です。ただし学校を休むと保護者に叱責をうけたり、再登校したとき、あらためていじめを受ける不安のある場合、いじめが隠ぺいされる可能性、さらに不登校継続の防止に、教師は気概をもって事態にあたり、教育行政は責任をもって対処しなければなりません。