参院選に向けて、不登校新聞では各政党に不登校政策についてのアンケートを実施。回答を拒否した維新の会以外、7政党が回答した。回答した政党のうち、民主以外の7政党が、「学校外で学び育つことの権利」があることを示唆した。

最多回答は「多様な教育の必要性」


 もっとも力をいれるべき不登校政策を聞いたところ、多かったのが「多様な教育の必要性」を指摘する回答だった。(みんな、共産、社民、みどり、生活)。公明、民主が重要政策にあげたのは、スクールカウンセラーなど支援者増員。自民は、職場体験・キャリア教育の充実、必修化を挙げた。

 さらに踏み込んで「学校外で学び育つことへの見解」を聞いたところ、回答を留保した民主党以外は、子どもが「学校外で学び育つことへの権利」があることを示唆。このうち「学校外でも学習権の保障が重要」だと回答したのは、自民、公明、みんな、みどり、生活の5政党。自民、公明は既存の制度のなかで学習権の保障に取り組んでいくと回答。みんな、生活は「多様な教育を選べる制度に変えるべき」など制度改革の必要性を訴えた。共産、社民、みどりは、それに加えて、そもそも「子どもが安心してすごせる場」が必要だと回答した。民主党は昨年末の衆院選で「すべての人が充実した人生をまっとうするための学ぶ権利を保障すべき」だと回答したが、今回は「検討していきたい」という回答にとどまった。

各党の回答全文


質問① 不登校についての見解と、もっとも力を入れるべき政策は?

(自民)スクールカウンセラーの充実はもとより、すべての小中高における最低3日間の職場体験などの実施や、職場体験の必修化の実現に努め、自立・自活できる若者を育てます。また、教育機関、地域企業、NPOの力を結集し、日本全体で学校の体験活動を推進する体制を強化します。

(公明)いじめの対処と同じく、早期に適切な対応をとることが大切です。スクールカウンセラーなどの常時配置、養護教諭の大幅増員など相談しやすい環境を整備するとともに、学校復帰などの支援をする「教育支援センター(適応指導教室)」の設置や「メンタルフレンド制度」の導入を推進するなど、不登校対策を進めます。

(民主)全国の小中高にスクールカウンセラーやガイダンスカウンセラーの配置を進め、いじめ・不登校などの問題、職業選択などの進路について児童・生徒が相談できる体制を充実します。

(みんな)不登校が多いのは問題であるが「学校に通うこと」と「教育を受けること」はイコールではない。学校になじめない子どものためのオルタナティブな教育の場を整備していくことも、不登校問題への対処法の一つである。多様な教育を選べる制度に変えていくべき。

(共産)「不登校」11万人超というのは、学校が依然として息苦しい場となっているということだと考えます。競争的・管理的な社会や教育制度にこそ問題があるわけで、「不登校」を本人や家庭の責任とすることはまちがいです。学校復帰を前提の施策をやめ、一人ひとりの学びと人間的自立を支えられる場への公的支援を目指します。また、相談しやすい窓口を拡充し、親の会、フリースクール、家庭への公的支援を強めます。

(社民)子どもは学校だけではなく家庭、地域社会などさまざまな環境のなかで育ちます。社会や家庭の状況も大きく変容するなかで、子どもが安心できる居場所を保障することがなにより求められます。学校に行かない・不登校という選択肢も含め、子どもが育ちやすい多様な社会環境を整備することが必要と考えています。学校復帰を絶対的な前提とする必要はないと考えます。

(みどり)子どもの居場所づくりが大切と考えます。学校の中で教室以外の居場所(図書室、医務室など)をつくる、また、学校以外でも地域で居場所をつくることが重要です。そのような場に、いじめや不登校について適切に対処できる大人を配置することが必要です。

(生活)たいへん深刻な状況にあると認識しています。登校刺激をどのように適切に与え学校復帰を図るか、家庭、学校、関係機関の連携が図りやすい体制が必要です。必要ならば速やかに医療的対応をしなければなりません。不登校の解決は、たんに不登校の数が低減することではなく、児童生徒の人格形成と学習機会が、本人にとって最良な環境ではぐくまれることであり、多様な公的支援が用意されるべきです。


質問② 学校外で子どもが学び育つことへの見解は?

(自民)フリースクールなどが重要な役割を果たしていますが、今後は「学校内」ではありますが、夜間中学・高校の充実を検討していきます。また、現行の「6・3・3・4」の学制改革を検討し、学び直しができるよう多様な学習機会を提供する必要があると思います。

(公明)不登校児童など学校へ通えない子どもたちへの「学び、育ち」への支援は重要だと認識しています。学校復帰に向けた支援を行なうため「教育支援センター(適応指導教室」を設置することや学校外の機関(フリースクールなど)で指導を受ける場合を「出席扱い」とできることなど、子どもたちの「学び、育ち」の機会を確保するための取り組みをさらに進めます。

(民主)現場に近い地域と保護者らの協力による学校運営が、学校との信頼関係・絆を深め、いじめや不登校などにも迅速に対応できるようになると考えております。同時に、学校との有機的連携・協力が生まれ、地域コミュニティの再生・強化にもつながることが期待されます。学校外での学び、育ちの問題についてはさらに検討していきたいと考えています。

(みんな)学校に行かなくても、社会に出て困らない学力を身に着けさせる手助けをとればよい。教育(あるいは学習)は、学校だけにとらわれるべきではない。

(共産)学校での息苦しさのもと、子どもが安心して過ごせる代替的(オルタナティブ)な場が必要になっています。この場で子どもたちが、安心で応答的な人間関係、ものごとをよく考え、創造的に学べる教育が保障されることを期待しています。そうした場の営みは、学校教育にも刺激とよい影響を与えると考えます。

(社民)学校を否定するのではなく、また絶対化するのでもなく、多様な学びの一つとして相対化する発想が必要だと考えています。学校に行かない選択をした子どもにも教育を受ける権利を保障し、フリースクールや家庭学習への支援など、不登校でも学ぶことのできる仕組みを整備するべきと考えます。

(みどり)かならずしも学校にしばられることなく自由な発想で学びの場を選ぶことが必要と考えます。ただし、学校から逃げる発想ではなく、自分に合った環境を積極的に選ぶ発想がベースになることが重要です。

(生活)学校は、文部科学省が言う「子どもたちの健やかな成長と自己実現を目指して学習活動を行なうところ」ですが、子どもの多様な興味・関心や自己決定が尊重される場となっていません。現状では正規の教育機関と認められていませんが、フリースクール、ホームスクーリングなど、意欲的な活動の公教育化や支援が必要です。同時に法制度整備も検討しなければなりません。