連載「ひきこもり時給2000円」vol.41


 ひきこもりの苦しい日々のあいだ、僕は毎日考えた。どうしてこんなことになってしまったのだろう。どうして自分はまともに就職して生きられないのだろう。どうしてただの一つも面接に受からなかったのだろう。いつから道を踏み誤ってしまったのだろう。これからどうしたらいいのだろう。ちゃんと就職していった友だちは俺のことをどう思っているだろうか? きっと俺のこと見下してるんだろうな。そういやあいつらはあのころからそういう目で俺を見てたっけ。今はどうなんだろう? 俺のことなんてもうとっくに忘れてるかもしれないな。忘れてくれてたらいいんだけど……などなど。
 
 起きているあいだはずっとそんな感じ。もちろんそんなことは考えたくない。でも考えてしまうし、考えないわけにはいかないのだ。
 
 そのような思考は毎日続いた。やりたくてやっていることではない。でも、それ以外のことなんて考えられない。そういう日々はきついし、しんどいし、苦しい。あたりまえだ。逃げたい。逃げたい。なぜだ、なぜなんだ? こんなのはもうたくさんだ。だから僕は寝てしまう。眠りの世界へと逃避する。「寝ているあいだは何も考えなくて済む」と考える。たしかに、ひとときのあいだは逃げられる。追手から身を隠すことができる。しかしほどなく、その思考の群れは眠りの世界にも侵入してきた。


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