不登校新聞

449号 2017/1/1

勝手に持っていくな【酒場の支援論】

2016年12月26日 17:28 by kito-shin
2016年12月26日 17:28 by kito-shin


連載「酒場の支援論」


 年末年始用に気にいりの日本酒を一升買った。買ったら飲みたい。しかし、開ければすぐに飲んで正月までもたない。はたとひらめいて、もう一本安い酒を買ってきた。がまんできなくなったら、一升瓶をながめつつそれを飲む。雪見酒ならぬ酒見酒だ。
 
 酔った頭で考える。中学3年のとき、同じ学校の生徒数名ともめたことがあった。休み時間に囲まれ、もみあうなかで頭を蹴られた。帰宅後ぐあいが悪くなり、吐いて、病院へ運ばれた。検査の結果、異状はなかったが、大事をとって次の日は休んだ。その間にいろいろあったらしい。その後、件のグループにからまれることはなくなった。
 
 事情を聞いたあるクラスメイトはひどく憤慨して、「絶対に許せない」と気色ばんだ。それまでほとんど話したことのなかった先生から、「おまえは強いな」と通りすがりに肩を叩かれた。心配してくれる人がいるのがうれしく、ひとりではないと安堵もしたが、言葉にならない、かすかなひっかかりもあった。
この続きは1ヶ月無料のお試し購読すると
読むことができます。

関連記事

第18回 寝屋川教師刺殺事件【下】

232号(2007.12.15)

最終回 家庭内暴力とは何か【下】

232号(2007.12.15)

第232回 不登校と医療

232号(2007.12.15)

読者コメント

コメントはまだありません。記者に感想や質問を送ってみましょう。

バックナンバー(もっと見る)

624号 2024/4/15

タレント・インフルエンサーとしてメディアやSNSを通して、多くの若者たちの悩み…

623号 2024/4/1

就活の失敗を機に、22歳から3年間ひきこもったという岡本圭太さん。ひきこもりか…

622号 2024/3/15

「中学校は私にとって戦場でした」と語るのは、作家・森絵都さん。10代に向けた小…