連載「酒場の支援論」


 年末年始用に気にいりの日本酒を一升買った。買ったら飲みたい。しかし、開ければすぐに飲んで正月までもたない。はたとひらめいて、もう一本安い酒を買ってきた。がまんできなくなったら、一升瓶をながめつつそれを飲む。雪見酒ならぬ酒見酒だ。
 
 酔った頭で考える。中学3年のとき、同じ学校の生徒数名ともめたことがあった。休み時間に囲まれ、もみあうなかで頭を蹴られた。帰宅後ぐあいが悪くなり、吐いて、病院へ運ばれた。検査の結果、異状はなかったが、大事をとって次の日は休んだ。その間にいろいろあったらしい。その後、件のグループにからまれることはなくなった。
 
 事情を聞いたあるクラスメイトはひどく憤慨して、「絶対に許せない」と気色ばんだ。それまでほとんど話したことのなかった先生から、「おまえは強いな」と通りすがりに肩を叩かれた。心配してくれる人がいるのがうれしく、ひとりではないと安堵もしたが、言葉にならない、かすかなひっかかりもあった。


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