今号より新連載『あのとき、答えられなかった質問』を開始します。執筆者はひきこもり経験者の稲垣篤哉さん。本連載では「なんで働けないの?」「なにがつらいの?」など当事者が答えづらい質問に答えてもらう。稲垣さんへの質問がある方は気兼ねなく東京編集局までご連絡を(03・5963・5526/tokyo@futoko.org)
「なぜひきこもったのでしょうか?」と聞かれれば、「つまるところ思春期をこじらせて」と答えます。そう、あれは大学でのことでした……と本題に入る前にかんたんに自己紹介を。現在47歳の元ひきこもりおじさんです。奥さん一人、子ども0人。ネット販売の古本屋をやっています。
私がひきこもったのは、地方の国立大学3年の終わり、就職活動が本格化したまさにそのときでした。アパートにひとり暮らしをしていた私が大学へ行けなくなったのはもちろん、外に出ることもできませんでした(その後、こたつやベッドからも)。
電話に出ることさえできなくなっていたので、心配した親がようすを見に来たときは、ご飯もろくに食べておらずボロボロの状態でした。
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