連載「親のための不登校Q&A」vol.12
不登校になって家ですごすようになった子どもに、「○○を買って」と言われて、買っていいのか? と悩んだり、おこづかいはどのくらいあげたらいいの? と悩んだりすることがあると思います。親の会でもそういう話がよく出されます。
私も、長男のときはよく悩みました。そうすることがよいのか悪いのか。親として、どうすることがよいのか? 今思うと、その悩みのなかに、一番大切なその時の子どもの気持ちが抜けていたように思います。
長男が不登校になり始めた高校生の終わりころ、私の判断基準の一番中心にあったのは"卒業の妨げにならないか"ということだったように思います。ちょうど「愛・地球博(愛知万博)」の年、知的好奇心の強い息子は「パスポート買って何度も行きたい」と言ったのです。でも私は「卒業が先でしょ!」と思ってしまい、きちんと受けとめず聞き流してしまいました。「愛・地球博」のことを思い出すたびに、胸がキュッと締めつけられるような後悔の気持ちが湧いてきます。パスポートを買っても行けなかったかもしれない。でも、もし通えていたら……。
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