以前「大検」と呼ばれていた制度が、現在「高認(高校卒業程度認定試験)」として活用されている。毎年夏と秋に実施される高認試験に合格した者は「高校を卒業した者と同等以上の学力がある」とみなされる。大検が進学時に使えた資格に対し、高認は進学にも就職にも使える資格である。高認へと移行した2005年から8年が経った2013年、文科省は高認合格者の進路や採用状況、企業・自治体からの認知度などを調査し、発表した。
調査によると高認について「知っている」と回答した企業は60%しかなく、「名前は知っている」が25%、「まったく知らない」が15%もあった。自治体の認知度は、企業よりは高いものの「知っている」は77%、「名前は知っている」は19%、「まったく知らない」も5%あった。当時、文科省は「高卒と同等ということを広く周知したい」と語っていたが、8年経ってもまだまだの状況だった。
採用試験での扱いは「学歴に差はつけない」は企業18%、自治体45%であり、せっかく制度ができても、進学より就職に厳しい状況が見える。ちなみに高認合格者の進路先として、もっとも多かったのが進学45%だった。24%は受験準備、9%が就職。受験者の最終学歴としてもっとも多かったのが高校中退58%、全日・通信・定時制在学中は26%だった。
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