連載「あのとき、答えられなかった質問」vol.2
「ひきこもってから時間が経った今でも働けませんか?」と聞かれれば「オレは働ける。たぶん働けると思う。働けるんじゃないかな。ま、ちょっと覚悟はしておけ」と答えます。
ひきこもりとアルバイトをくり返す「五月雨バイト時代」は、とりあえず働かなくては、とバイトをしてみるものの、上司に注意されたりするとすぐ辞めてしまいました。ほかの人なら気にならなくても、自己肯定感が極端に低くなっているので、ふつうでは考えられないような傷つき方をしました。
そして、バイトを辞めるとしばらくはひきこもり、ある程度、時間が経つとまたバイトを探すというくり返し。しだいにボロボロになっていく自分のプライドを「いずれは芥川賞を」みたいな夢というか妄想で無理やり保つみたいな悪循環の日々。一向に出口が見えない日々のなかで、疲れはて、絶望し、「もうダメだ、人生をあきらめよう」と思いました。この「人生をあきらめる」というのは自死という意味ではなく、「どうなってもいい」という感覚です。そこで、あえて自分には向かない3K(「きつい、汚い、危険な仕事」の略)の仕事を始めました。
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