不登校経験者、PN美空さん(33歳)のインタビューを掲載する。不登校から現在までをお話いただいた。
――不登校はいつから?
不登校していたのは、小学3年生から中学3年生までです。きっかけは担任の体罰でした。テストで悪い点を取ると、木の棒でおしりを叩かれるんです。とにかく先生が怖くて、そのうち学校自体が怖くなりました。「学校に行くと叩かれる」と思うようになったんです。
先生や家族に無理やり連れて行かれる日もありました。力ずくで連れて行かれるたびに、子ども心に誰のことも信用できなくなって、よく布団のなかで泣いていました。
休んでいるあいだは、ずっと押入れにひきこもって生活していました。押入れの中に電気スタンドとラジカセを置いて布団を敷いて、そこが私の部屋でした。また、当時はお風呂に入るのがとにかく嫌いで、1カ月ほど入らないときもありました。
学校生活はラクじゃない
――ご両親との関係はどうでしたか?
不登校になって最初のころは父にしょっちゅう怒られました。父にはよく「学校に行って椅子に座っているだけでいいんだ」と言われていました。でも本当にそうでしょうか。学校に行けば教室に入って教科書を準備して、今日はどこからなのか友だちに聞いて、まったくわからない授業を何時間も聴き続けなければいけません。
給食は嫌いなものが多かったので全然食べられず、けっきょく5時間目まで一人残って食べ、教室に戻れば「遅かったね」と先生に注意されます。
授業が終わり「やっと帰れる」と思いきや職員室に呼び出され、先生から「今日はどうだった? 楽しかったでしょ、明日も来れる?」と言われ、「来ません」とは言えず、複雑な気持ちのまま家に帰っていました。本当に「椅子に座っているだけ」でいいならかんたんですが、そういうわけにはいかないんです。
大人になれば環境も人間関係も選ぶことができますが、子どもはそこにあるものがすべてです。必死になって学校に行っても続かなければ認めてもらえないんです。子ども社会は大人社会より厳しいと思います。大人社会よりも「結果がすべて」という風潮が強いんではないでしょうか。
――その後、15歳で就労されたということですが。
はい。レストランのウェイトレスの仕事をしました。社長さんは私が学校に行ってないことを知っていたのですが、面接で「素直そうだから」という理由で採用してくださいました。
仕事が決まったとはいえ、昼夜逆転生活だったうえに、あいさつもまともにできない私にとって、最初は本当にたいへんでした。
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