今回執筆したのは、不登校経験者・水口真衣さん。水口さんは自分のつらい気持ちを、医者や知人に話しても、受けいれてもらえなかったと言う。水口さんが本当に望んだものはなんだったのだろうか。
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私は3年前、みずから精神科へと足を運びました。それまでも何度か親に連れて行かれたり、親からは「あんたは病気だ」「障害だ」という言葉をあびせられていました。それでもかたくなに精神科に行くことを拒んでいた私が、みずから行こうと思ったのは、自分の力だけではどうしようもなく苦しく、助けてほしかったからでした。このままでは本気で死を選んでしまうかもしれない、この苦しみやつらさが楽になるのなら、その方法を教えてほしいって思ったからです。
その日、私は医師から「典型的なうつ病ですね」と言われ、薬を出されました。
うつ病の診断を受けた私は仕事を辞め、薬を飲みながら、自宅での休養を始めました。その間、うつ病について書かれた本を読みあさり、うつ病から立ち直った芸能人の話をネットやテレビで見て「自分もよくなる日がいつか来る」と、言い聞かせました。
最初の数カ月は、病名がついたことで安心した私がいました。「この薬を飲んでいれば、本に書かれたとおりに休んでいれば、不安定になる前の自分に戻れる、ふつうの生活ができるようになれる」と信じていたからです。
けれど、数カ月たっても、1年経っても、3年経っても、よくなっているようには感じないし、むしろ3年前よりもひどくなっているようにも感じます。
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