フリースクール議連発足
2008年に起きた「フリースクール傷害事件」の報道は、「矯正を目的として手段を選ばず」の収容施設と、「子どもが安心して学び育つ居場所」のフリースクール・フリースペースを混同させるおそれがあった。実際、フリースクールへの不安から、見学申し込みをしていた親のなかには申し込み取り消しをした人もいた。
フリースクール全国ネットワーク、登校拒否を考える全国ネットワーク、東京シューレや関西圏のフリースクール団体など、不当な人権侵害への抗議と混乱をきたす報道のあり方への緊急アピール文を出したのだった。もっとも怖い思いをしたのは、不登校やひきこもりをしていた当事者の子ども・若者ではなかったか、と私は心配していた。戸塚ヨット、不動塾、風の子学園、長田塾、アイメンタルスクール――これら一連の事件を知っても、「うちの親は大丈夫」と子どもが言う親たちは、不登校やひきこもりを理解し、受けとめている人たちだった。親が肝心なのだ。上述のアピールは、親にこそ届いてほしい、という願いを込めて出された。この年、新潟のフリースクールに出席督促書が届いたり、丹波ナチュラルスクールでの傷害事件があったのだが、フリースクールは、日本社会に少しずつ認められ、以前にはなかった動きも出始めた年でもあった。
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