不登校新聞

354号(2013.1.15)

子どもセンターパオが目指す自立支援

2013年04月15日 12:27 by kito-shin
2013年04月15日 12:27 by kito-shin
フリースクールから生まれた「自立援助ホームゆらい」を設立した「越谷らるご」が、講演「子どもセンター『パオ』がめざす自立支援」を開催する。

「越谷らるご」の母体は1990年に設立された「フリースペースりんごの木」。2001年に「地域の教育を考える住民の会~越谷らるご」と「りんごの木」がいっしょになり「NPO法人越谷らるご」を創立。越谷らるごは埼玉県越谷市を活動拠点とし、フリースクール、親の会、相談活動を展開してきた。

代表理事の増田良枝さんはNPO法人設立時から「生活を支える場づくり」を構想していたが、資金不足などの壁に阻まれ断念。しかし、しだいに切迫した状況の子どもたちに出会う機会が増え「『今日、寝る場が場がない』という子どもたちに出会い、駆け込み寺のような場があれば」という思いが強まり、自立援助ホーム設立を決心した。

自立援助ホームとは児童福祉法に基づく施設で、中学校卒業年齢時から20歳までの子どもが利用可能な施設。承認窓口は児童相談所だが、基本的には本人が希望するとホームに入ることができる。なお、ゆらいの利用料は月3万円。そのほか、食費、家賃、光熱費などは国、自治体からの措置費でまかなわれる。

一方、子どもセンター「パオ」は、2006年に創立されたNPO法人。「パオ」は、虐待などによって家庭に居場所を失い、児童福祉施設も適さない子どものために緊急で提供される子どもシェルター「丘のいえ」を06年に設立。

「丘のいえ」の利用期間はおおむね2カ月から5カ月あまりで、心に受けた傷が深いほど、自己肯定感が弱く、人間関係をつくることも苦手で、就労の継続が困難なケースが多い。そこで、シェルターで回復した後も継続して、就労を条件とせずに、安心できる家庭的環境で生活を楽しみ、基本的な社会的スキルを身につける「ステップハウス」を2011年に全国で初めて設立した。

越谷らるごは、ステップハウス、シェルターの設立に尽力してきた多田元さん(弁護士/子どもセンター「パオ」代表理事/本紙理事)を講師に呼んで「自立支援」をテーマに講演会を行なう。イベント詳細は上記を参照に。

■2013年2月3日 子どもセンターパオがめざす自立支援

会 場 越谷らるご
    埼玉県越谷市千間台東1-2-1 白石ビル2F
    東部伊勢崎線「せんげん台駅」東口より徒歩1分

時 間 午後1時30分~4時30分※開場午後1時~
講 師 多田元さん(弁護士/子どもセンター「パオ」代表理事/本紙利理事)
連絡先 048-970-8881

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