裁判員裁判がはじまって3年。職業裁判官によるかつての裁判に比べて、何がどう変わったのかを具体的に検証しなければならない時期がきている。しかし現状の制度下では、じつは、そうした検証がほとんどできない構図になっている。最大のネックは、裁判員が判決後も評議の内容を外に公表することを禁じられていることにある。
この点で最近非常に気になった裁判がある。本紙344号でも報じられた殺人事件である。実姉を文化包丁で刺し殺した42歳の男性に対し、検察の求刑は16年だったにもかかわらず、大阪地裁はそれを上回る懲役20年の判決を下した。アスペルガー障害ゆえに「十分な反省の態度を示すことができない」ことがその大きな理由だったという。
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