不登校新聞

304号(2010.12.15)

ベーシック・インカム第5回「労賃="過去の対価"ではなく、"明日の活動費"として」

2021年08月17日 18:11 by kito-shin
2021年08月17日 18:11 by kito-shin

連載「ベーシックインカム」第5回

 お金を稼いでいれば仕事をしていて、稼いでいなければ仕事をしていない。いまの世の中では、そのように考えられています。しかし、収入が得られる仕事だけが仕事でしょうか。

 たとえば、家事を考えてみましょう。炊事や洗濯などの家事に対してお金を払ったとしたら、いくらになるのでしょうか。インターネットで家政婦の料金を調べたところ、安いところで1時間1400円でした。この金額で計算するとして、専業主婦が1日8時間を家事に使えば、1日1万1200円。休日なしですから、1カ月で33万6千円。子どもや年寄りの数が多ければ、一日8時間なんてものじゃありません、もっと長時間です。

 食事を取るとか服を着るとかは、ふつう仕事のうちに入りませんが、病人や障害者や老人の介助をする場合でしたら、有料の仕事になります。

 そうすると、ひきこもりの人であっても、その人が自分で食事を取ったり服を着たりしているのなら、入院して寝たきりになったとすればかかる費用の分を、自分で稼いでいるとも言えます。

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