7月31日、YMCAアジア青少年センターにて「ペルーの働く子どもたちへ~第7回チャリティトーク&コンサート」が開かれた(主催・永山子ども基金)。永山子ども基金は永山則夫(享年48歳)の遺言をもとに設立された基金である。
当日はシンポジウムには井垣康弘さん(元家庭裁判所判事)、薬師寺幸二さん(家庭裁判所調査官)、佐藤信一さん(東京シューレスタッフ)が登壇。井垣さんは少年事件に対する厳罰化の流れが、子どもたちを厳しい状況に追いやっていることを指摘。一方、少年院が教育機関として果たす役割についても言及。少年犯罪への理解を進めるためには、「顔つきが穏やかになった少年院出院者を世間のみなさんに見てもらうほうがいい」と話し、少年院出院者が構成している団体「セカンド・チャンス」に期待を寄せていた。薬師寺幸二さんは家庭裁判所調査官の立場から、少年事件としての永山則夫事件を議論する必要性を訴えた。「誤解を与えるかもしれないが、やはり日本も階層社会です。犯罪をくり返す少年は永山則夫と同じようにある階層のなかで再生産されています。そこから抜け出すのは本当に闘いなのだということを考えなければいけない」と話した。東京シューレスタッフの佐藤信一さんは、フリースクールの現場で働く経験から、子どもたちに必要なものは「ありのままを受けいれる姿勢」だということを強調した。
コンサートでは、東京朝鮮中高級学校の生徒、東京シューレの子どもたち、梶原徹也さん(元ブルーハーツ)が演奏。東京朝鮮中高級学校は「2000年を境に交流してくれる学校が少なくなり、今日の発表の場を与えてくださったことに本当に感謝しています」と話し、民族楽器を演奏。東京シューレ、梶原徹也さんも演奏し、イベントは終了。
永山子ども基金は、森達也さん(映像ジャーナリスト)が登場した第6回チャリティトークの内容を中心にブックレットを発行している(編・永山子ども基金/定価700円+送料別)。申し込みや連絡先は03・3353・7773(FAX)まで。
読者コメント