~子ども若者編集部企画~



先人はいかに避けてきたか


 不登校は知っている。外出するなら平日の昼間がいい、と。どんなに人気がある遊園地も博物館も平日はだいたいガラガラだ。しかし、夏休み中はどこへ行っても街に人が溢れかえっている。夏休みなんてのは学校行事であって不登校には関係ないのに迷惑な話だ。

 もちろん夏休みが大好きな人もいる。ふだんはなかなか遊べない地元の友人たちと遊び、大好きな祖父母のところへ行く。そういうのが楽しい人もいる。ただし、会いたくないクラスメートだっているし、口うるさい祖父母や親戚だっているものだ。とりわけ、里帰り、法事、親戚の集まりがイヤだという人は多い。そこで、「いつだって当事者目線からの不登校支援」をモットーにした子ども若者編集部では、里帰りや親戚の集まりに参加しない方法を探す調査取材をしてみた。

"外”と "奥”に居場所を確保


 まず、里帰りや親戚の集まりがイヤな不登校の先輩方は、どうしてきたのだろうか。

 多かった声が「台所で手伝うフリをして親戚を避けた」「実家に行くとメシ時以外は勝手に外出してしまう」というものだ。とくに台所でのお手伝いは、たいがい特別なおこづかいが支払われるという特典がつくため見逃せない。一方、「勝手な長時間外出」には準備が必要だ。テレビ代わりの携帯電話、携帯ゲーム機、充電器、イヤホンがあれば申し分ない。こうした準備を忘れた場合でも、図書館には、DVDがあることを忘れてはならない。「田舎に帰ると図書館で『戦艦ポチョムキン』など、やたらに重厚な映画を見て時間を潰した」(28歳・男性)という声もあり、参考にしてもらいたい。



あなただけじゃない


 ある程度の避け方はわかったが、より積極的に「家に居ること」を勝ち取っていきたいものだ。集まった声のなかには「郷里に帰っても車から一歩も出なかった」「トイレにこもって吐き続けた」など、身体を張って里帰りや法事の免除を勝ち取った事例もある。
 
 そこまではやるほうもしんどい。もうすこしいい方法がないものか、親の声も集めてみた。
 
 何名かの親の話を総合すると「相手方の実家にはちょっと」と思っている親が多いことに気づいた。つまり、父方の実家や集まりには母親が、母方の実家や集まりには父親が消極的なのだ。愛媛県の母親は「父方の里に女親で帰りたいと思っている人はあまりいないでしょうね、息子が里帰りに『行きたくない』と言ったとき、正直、これ幸いだと思いました」と言う。そう! 乗り気じゃないのはあなただけじゃない。乗り気じゃない親に対して、「ちょっと行きたくない」、あるいは「いっしょに家に残って」と切り出すのが有効だろう。
 

提案を切りだそう

 
 しかし、家系によっては里帰りや親戚の集まりがとても大事にされる。「ちょっと行きたくない」程度では通らないときもある。その場合は「カゼをひいたことにはできないか」「どうしても行きたいコンサートやイベントと日程がかぶったことにするのはどうか」と提案してみよう。このとき、気をつけたいのが「バイトをしたいから」「塾の合宿に行きたいから」という提案はしないほうがいい。あとでややこしいことになってしまう。また、お盆中に「友だちの家に行く」という提案も親はたいへんイヤがるのでやめたほうがいい。
 
 ということで、正直に気持ちを伝えれば、どうにかなるのではないか、というのが子ども若者編集部の調査結果だった。できれば、里帰りをしないまま、お小遣いだけは継続的にもらう方法、あるいは一人きりでの留守番を勝ち取る方法なども調査したかったが、今回は力不足であった。今後の検討課題として残しておきたい。(石井志昂)