警察庁の発表によると、2009年の1年間で自殺した人の総数は3万2845人。性別では、男性が2万3472人、女性が9373人と、男性が全体の71・5%を占めた。

 年齢別に見ると、「50歳代」が6491人(19・8%)ともっとも多く、続いて「60歳代」(5958人/18・1%)、「40歳代」(5261人/16・0%)、「30歳代」(4794人/14・6%)だった。未成年の自殺者は565人と前年より46人減少した。

 自殺の原因・動機についてもっとも多かったのが「健康問題」で1万5867人だった。以下、「経済・生活問題」(8377人)、「家庭問題」(4117人)と続いた。「学校問題」を原因とする自殺者は364人と、前年より23人減少した。

 自殺の原因を「学校問題」としたのは、中学生で40人、高校生で78人、大学生では179人だった。理由別に見ると、「学業不振」がもっとも多く(中学生8人、高校生21人、大学生81人)、ついで「進路に関する悩み」「学友との不和」だった。「いじめ」を理由とする自殺は中学生3人、高校生4人のあわせて7人だった。

 近年、わが国における自殺統計の特徴の一つとして、20代や30代といった若年層の自殺者が増えていることが挙げられる。平成元年において20代、30代の自殺者はそれぞれ2357人、2865人だった。09年ではそれぞれ、3470人、4794人と、およそ1・5~1・7倍に増えており、人口10万人あたりの自殺者数を示す自殺率は、20代で24・1%、30代で26・2%と、過去最悪だった。自殺理由の「経済・生活問題」について08年と09年を単純比較すると、「失業」(20代/58人→80人、30代121人→228人)、「就職失敗」(20代/86人→122人、30代69人→72人)だった。昨今、「新卒者の就職難」「派遣切り」「名ばかり管理職」といった問題が注目されており、こうした厳しい経済情勢が働き盛り世代だけではなく、若年層が自殺する背景にも大きく影響していることがうかがえる。




 内閣府参与・ライフリンク代表 清水康之さん

 

若年世代の自殺増の背景には、ふたつの「不況」があると思う。ひとつは「経済的な不況」。仕事が見つからない、あるいは見つかったが条件が悪いなど、若年世代が置かれている経済状況はそうとうに厳しい。もうひとつは、文化人類学者の上田紀行さんが指摘する「生きる意味の不況」。他者の評価に怯えながら生きているなかで、自分自身であることに意味が見いだせなくなってしまった若年世代が増えてきているのでは。とくに後者の不況が、ホディーブローのように若年世代を追い詰めているように感じられてならない。