ここに、「ひきこもり当事者による雑誌刊行委員会編」による雑誌『イリス』創刊号がある。2003年SPRINGとあり、サブタイトルに「生きにくさを感じている私たちからあなたへ」とついている。

 表紙が春らしいやわらかい色調で、サクラの花一輪がデザインされ、花びらの一ひらはピンクで、もう一ひらは虹の花びらとなっている。

 『イリス』のアルファベット表記は『IRIS』。ギリシャ語で「虹」の意味だそうである。

 IRIS編集局による創刊号巻頭言では、「虹はいろいろな色があって、ひとつの色でもそのときどきで感じ方が変わってくる。人もいろいろで、一人ひとりの感情も定まったものではなく動いている」との思いを込めて雑誌の名に決めたという。

 2003年のころ、ごく少数のひきこもり体験を出版する個人の方はいたけれどめずらしく、いわんやひきこもりの仲間たちで雑誌を創るなどということは考えられないほどめずらしかった。えっ、そういうことができる人たちなら、ひきこもりじゃないんじゃないの、という声すら返ってきていた。


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