2003年4月、ひきこもり当事者による雑誌「IRIS」が創刊された。
創刊号の内容は、座談会、当事者手記4本、親の手記、インタビュー(渡辺位さん)、創作、評論、詩、おすすめコーナー(本と音楽)、特集・映画「home」を観て、などで、本名で登場している当事者も多かった。まず、座談会「当事者が語るひきこもり」から紹介したい。
座談会の扉には、座談会を企画した主旨が述べてある。「『ひきこもり』は、当事者以外の人から語られることが多い。というより、当事者が語る機会はほとんどないと言っていい。『ひきこもり』と言っても、当事者の意識、考え方、感じ方はいろいろである。それをひとくくりにして勝手にイメージをつくりあげるよりは、当事者の声を聞いてほしい、という思いで記念すべき創刊号で座談会を行なった」とある。
参加者はSさん(27歳・男)、Yさん(35歳・男)、Aさん(23歳・男)、Kさん(40歳・男)の4人で、司会は奥地が務めた。以下、座談会の内容を紹介する。
■自分の今の状況と生活は
「就職のため上京してきたが、業界実態があまりにひどく、就職しないまま。昼すぎに起き、陽が昇るころ寝る」。「大学を29歳で卒業して6年、最初の3年は塾講師や家庭教師、あとの3年は収入なし。いまは、スポーツサークルや週1回ギター教室。人間関係は薄い」。「この雑誌編集以外は家に居るが、用事があればでかける。これって、ひきこもりだろうか」。「仕事は長くやっていないが、サロンや買い物には出る。家ではネット、CDを聴き、たまに友だちも来る生活」とのようすが語られた。
読者コメント