不登校新聞

284号(2010.2.15)

「かがり火」多田元

2013年12月06日 14:56 by kito-shin
2013年12月06日 14:56 by kito-shin


 少年審判廷に裁判官の鋭い尋問の声が響く。前に座らされた14歳の少女は幼いころから家庭で性的虐待など親の虐待を受けてきた。

 親は審判に出席せず、附添人弁護士が少女に付き添う。少女は虐待を逃れようと家出し、居場所を求めて友人を頼り、怖い先輩の指示で何度か万引きをし、自転車一台を盗み、捕まった。

 「被害者の気持ちを考えた? 万引きが悪いこと、わかるの? ふつうの人は悪い人とはつきあわないよ」。裁判官の尋問に少女はただ「はい」と答えるしかない。
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