不登校新聞

282号(2010.1.15)

いのちとはなにか「川本隆史さんに聞く(上)」

2013年12月11日 13:04 by 匿名
2013年12月11日 13:04 by 匿名


 連載第4回目は、「人間の権利と義務」をテーマに東京大学の川本隆史さんにお話をうかがった。聞き手は、昨夏、「不登校の子どもの権利宣言」を作成したメンバーが中心。なお、取材テキストには高校生向けの教科書「現代社会~地球社会に生きる~」(教育出版)が使用された。
 
――今日はよろしくお願いします。
 インタビューのテーマは「権利と義務にどうアプローチするか」でしたね。権利や義務については、法律学や法哲学からの接近もありえるでしょうが、私が守備範囲とする社会倫理学の土俵でお答えさせてもらいます。権利・義務に関連する学問分野をすべてカバーすることは私の力に余るからです。話のとっかかりに、「不登校の子どもの権利宣言」を起草したみなさんの率直な感想を聞かせてください。

――権利宣言をつくる際、長時間の議論を重ね、ようやく文章にできたという達成感があります。それと同時に、宣言を伝えていく責任も感じています。

 事前に「宣言」を拝読して、感心したり学んだりした点がたくさんありました。前文にも心をうつアピールが綴られていますが、とくに第一条「教育への権利」の「学校に行く・行かないを自身で決める権利がある」という文言は、まさしく宣言の出発点ですよね。あらためて確認するまでもなく、教育がなされる場所は学校だけにかぎりません。学校が教育を独占するようになったのは(正確に言うと、教育=学校という「通念」が成立したのは)、人類の歴史のなかでは近代以降の出来事に属します。
この続きは1ヶ月無料のお試し購読すると
読むことができます。

関連記事

第18回 寝屋川教師刺殺事件【下】

232号(2007.12.15)

最終回 家庭内暴力とは何か【下】

232号(2007.12.15)

第232回 不登校と医療

232号(2007.12.15)

読者コメント

コメントはまだありません。記者に感想や質問を送ってみましょう。

バックナンバー(もっと見る)

625号 2024/5/1

「つらいときは1日ずつ生きればいい」。実業家としてマネジメントやコンサルタント…

624号 2024/4/15

タレント・インフルエンサーとしてメディアやSNSを通して、多くの若者たちの悩み…

623号 2024/4/1

就活の失敗を機に、22歳から3年間ひきこもったという岡本圭太さん。ひきこもりか…