2001年ごろ、日本の野宿問題は一つのピークに来た。98年の不況以来増え続けた野宿者がこの時期、全国で約3万人に達したのだ。野宿、貧困への対策は、この時期以降「ホームレス自立支援法」の制定など大きな転換を始める。そして、このころから「ニート」や「ひきこもり」という貧困にも関わる若者層の問題が大きく浮上した。さらにその後、「ワーキングプア」「日雇い派遣」「ネットカフェ難民」「派遣切り」「子どもの貧困」などがそれこそ半年交替のように次々と浮上し始めた。日本の風景は一変したかのようだ。
最近、僕がいる野宿者ネットワークには、20~30歳の若い人から「今日から寝る場所がない」「なんとかならないか」という相談が来る。その人たちは、たとえば「私の母親は母子家庭で、私のほかに子どもが4人いて生活保護を受けています」「私の母は再婚しましたが、私と義理の父親との関係がとても悪くて、帰れません」などの背景を抱えている。つまり、親を頼ることのできない若者たちが続々と野宿になっている状態だ。
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