09年の医学会はそんなようすだったが、日常の医療との関係はどんなだっただろうか。登校拒否を考える会、などの親の会やフリースクールを通して言うならひとことで過剰医療と言える状態があった。薬の多剤・多量投与、不必要と思われる入院の例に出会い続け、「不登校になったら病院にかかるものなんだ」という考え方の広がりを感じる日々だった。過剰医療は医療依存と一体であり、子どもがもっともわかってほしいのは親であるが、その親が「医者が治してくれるもの」という考えになってしまっては悲惨である。親自身がこの子のこの状況は「なぜ生じているんだろう」「何を訴えているんだろう」と考えなくなりやすい。医者に訴え、医者に相談して、治してもらおうとする。医者は、その訴えによって、薬を増やしたり、種類を変える。「しばらくようすを見てみよう」と、子どもの心は置き去りにされる。そのうち、薬の副作用のほうが強くなり、苦しく、元の症状だかなんだかわからなくなる。
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