2013年は世界に国際的緊張と戦争の火種が尽きない状況のなか、日本では、平和憲法の民主主義を空洞化する政治の流れが色濃く表われた。その曲がり角を象徴するのは、7月の参院選挙で圧勝した自民・公明与党が議席の数の力で、世論の多数の反対も無視してつくった特定秘密保護法だ。その成立過程の政府の説明も含めて、政府、行政に対する根深い不信を招いただけでなく、社会に相互不信を無限連鎖的につくり出す。国民の安全、平和のために知る必要のある情報が一部の権力に独占され、積極的平和主義など空疎なスローガンのもとに原発の危険情報も隠され、戦争への道へ誘導される不安を抱かせる。教育再生のスローガンさえその道具に見える。
原発の放射能汚染も戦争も、最大の被害を受けるのは未来を生きる子どもたちだ。そして、子どもにとっての格差社会の貧困問題については、いまだ解決策も見えない。(全国不登校新聞社代表理事・多田元)
おすすめ記事
読者コメント