司馬遼太郎原作の『坂の上の雲』がNHKでドラマ化している。開花期を迎えた明治の日本が、あたかも青春のような時代として、国民の視線から描かれているというが、はたしてそうか。

 時代背景は、明治27年に勃発した日清戦争から、明治41年の日露戦争後のポーツマス条約講和条約締結までの10数年であるが、明治政府の「富国強兵」政策により、国民への学校教育制度が確立された時期でもあった。ドラマの主人公となる秋山兄弟や正岡子規は、学校制度の過渡期を中退や進路変更をしながら、なんとか生き抜いていく。けっして学校教育だけで人生の核となるものを得たのではない。


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