不登校新聞

279号(2009.12.1)

【公開】フリフェス’09 不登校ボクらから夢ッセージ

2014年01月15日 15:18 by 匿名
2014年01月15日 15:18 by 匿名


 11月23日(月・祝)、東京・葛飾区にある東京シューレ葛飾中学校にて、「フリースクール全国フェスティバル2009~不登校 ボクらから夢ッセージ~」が開催された。大人・子どもあわせて500名が参加した。

 今年の「フリースクール全国フェスティバル」は食堂「夢広場」、バンド演奏、子どもシンポジウムなど、同イベント実行委員の子どもたちが趣向を凝らした企画が目白押しとなった。

 オープニングでは今回のフェスティバルに参加した9つのフリースクール紹介につづいて、「ビッグフラッグ」が披露され会場を沸かせた。「ビッグフラッグ」とは、今回のフェスティバルのテーマ「夢ッセージ」にかけて、白い布に全国各地のフリースクールがオリジナルの絵やメッセージを書き添えたもの。全国各地から30枚あまり集まったフラッグは実行委員会によって縦5メートル・横7メートルの一つの大きなフラッグに編まれ、オープニング終了後にもしばらく、入れ替わり立ち替わりで見物する参加者が絶えなかった。


 食堂、バンド…企画が充実


 今回のフェスティバルでは、特別講師を招いての基調講演やシンポジウムは企画されておらず、文字通り、フリースクールに通う子どもたちによるプログラムが充実していた。

 食堂「夢広場」には、カレー、マーボー丼といった食事メニューのほか、ポップコーンやシフォンケーキといった軽食も充実。また、手づくりカレンダーを販売した「東京シューレ柏の葉」(千葉県)では、子どもたちが歌を歌いながら売り子に徹するなど、参加者の注目を集めていた。

 当日は、「りんごの木」(埼玉県)の「お化け屋敷」、「ヒューマン・ハーバー」(香川県)の人形劇や巨大カルタ大会など、各地のフリースクールからのブース出展も大きな盛り上がりをみせた。音楽室で行なわれたライブハウスでは、12のバンドが出演。元ブルーハーツのドラマー・梶原徹也さんも参加したバンドでは40名を超す観客が集まるなど、熱気に包まれた。

 また、3時間という時間制限で行なわれた「わらしべごっこ」も注目を集めた。わら1本から大金持ちになったという昔話をそのままに、フェスティバル参加者とつぎつぎに物々交換していく企画だ。最初、1本のポッキーから始めた「わらしべごっこ」は23回の物々交換を経て、持ち運びに便利な携帯音楽再生機用スピーカになり、エンディングでの景品の一つとなった。

 そのほか、遊戯王カードゲーム大会、鉄道模型、ダンボールハウスや関東最速王、身体測定や子どもシンポジウム「不登校の子どもの権利宣言」に加えて、千葉県で活動しているNPO法人「犬と猫のためのライフボート」による捨て犬・捨て猫譲渡会が行なわれた。


 エンディングにサプライズも!


 エンディングでは実行委員会が手づくりした直径1mメートルを超す巨大くす玉が披露され、参加者全員のカウントダウンによって割られると、大きな歓声に包まれた。なかから出てきたのろしには、数字が表記されており、事前に参加者全員に配られていた整理券の番号当選者にはさまざまなプレゼントが配られた。

 続けて行なわれた副実行委員長の島夢美さんの締めのあいさつが終わるやいなや、会場の照明がすべて落ちるハプニングが起きた。子どもの一人がストンプ(拍手や足踏みなどでリズムを取ること)により、「We Will Rock You」のリズムを叩き始めると、それは会場全体に飛び火。その後、実行委員会による歌や打楽器も加わった。ストンプ終了後には「Earth,Wind&Fire」の名曲「September」にのせて、実行委員会の面々によるダンスが披露された。ストンプ、ダンスと、エンディング会場全体はさながらディスコのような雰囲気となり、エンディングが終了。じつはこれらはすべて、実行委員会によるサプライズ企画だった。こうして終始、大きな拍手に包まれるなかで、今回のフェスティバルは終わった。

 今回、実行委員長を務めた彦田来留未さんは「『夢ッセージ』に込めた子どもたちの想いやパワーが多くの人に届いているといいなぁ」と、盛会に終わったフェスティバルをふり返った。

関連記事

「不登校の要因はいじめ」子どもと教員、認識差に6倍の開き

624号 2024/4/15

東京都で2万円、富山県で1万5千円 全国の自治体で広がるフリースクール利用料の補助のいま

622号 2024/3/15

「不登校のきっかけは先生」、「不登校で家庭の支出が増大」約2800名へのアンケートで見えてきた当事者の新たなニーズ

619号 2024/2/1

読者コメント

コメントはまだありません。記者に感想や質問を送ってみましょう。

バックナンバー(もっと見る)

625号 2024/5/1

「つらいときは1日ずつ生きればいい」。実業家としてマネジメントやコンサルタント…

624号 2024/4/15

タレント・インフルエンサーとしてメディアやSNSを通して、多くの若者たちの悩み…

623号 2024/4/1

就活の失敗を機に、22歳から3年間ひきこもったという岡本圭太さん。ひきこもりか…