児童相談所長会が、5年ごとにとりまとめている「児童虐待相談のケース分析等に関する調査研究」を発表した。分析対象となったのは、児童相談所で昨年4月~6月のあいだに受けた9895件の相談。このうち、81・9%の8108件が「虐待の危惧あり」から「生命の危険あり」のいずれかに判断された。なお、本文中のパーセンテージは小数点以下を四捨五入している。

児童虐待8000件を分析調査


 虐待を受けた子どもの年齢分布を見ると、「0歳~11歳」が78%を占め、「12歳~14歳」は15%、「15歳以上」は7%となっていた。0歳~11歳を、年齢別に見ると5%(400人強)~7%(600人弱)のあいだで推移しており、年齢によるちがいは、ほとんど見られなかった。



 男女比は男子が51%、女子が48%で、ほぼ同率。虐待を受けた子に、発達障害、精神発達の遅れなど、子ども自身の特徴の有無について、もっとも多かった回答が「特になし」43%。次いで「問題行動」13%、「精神発達の遅れ」7%が多かった。
 虐待の種別(主たる虐待のみ)を見ると、暴力などの「身体的虐待」35%、「ネグレクト(育児放棄)」33%、暴言や拒絶など「心理的虐待」20%、「性的虐待」3%の順となった。



 8%が重度以上


 今回の調査では初めて「虐待の危惧あり」から「生命の危険あり」までの「重症度」が調査された。もっとも重い「生命の危険あり」には、衰弱死、生命の危機に関わる外傷を負うケースが該当する。つぎに重い「重度虐待」は、骨折など継続的に治療を必要とする外傷、衣食住が与えられない、性的行為がある、監禁状態にあるなどのケースが該当。「中度虐待」は、慢性的な暴力やネグレクト、極度の育児条件不良などが該当。「軽度虐待」は一時的な暴力、ネグレクト傾向があるなどの場合。「虐待の危惧あり」では、実際の虐待行為はないが、保護者本人から虐待を危惧する訴えがあがったなどのケースが該当する。

 児童相談所長会が、5年ごとにとりまとめている「児童虐待相談のケース分析等に関する調査研究」を発表した。分析対象となったのは、児童相談所で昨年4月~6月のあいだに受けた9895件の相談。このうち、81・9%の8108件が「虐待の危惧あり」から「生命の危険あり」のいずれかに判断された。なお、本文中のパーセンテージは小数点以下を四捨五入している。

 今回の調査では、「生命の危険あり」129件(2%)、「重度虐待」468件(6%)、「中度虐待」2078件(26%)、「軽度虐待」2954件(36%)、「虐待の危惧あり」1339件(17%)という結果がでた。重度以上の虐待が8%を占め、年間試算にすると2388人が重度以上の虐待を受けるという結果になった。

 1年以上の虐待3割強




 虐待の期間を見ると、1カ月未満(13%)、3カ月未満(7%)、半年未満(8%)、1年未満(9%)、3年未満(17%)、3年以上(16%)となっており、1年以上の虐待が3割強を占めた。

 おもに虐待をした者と子どもの続柄を見ると、もっとも多かったのは「実母」52%。次いで「実父」25%、「養父」4%、「継父」3%、「内縁の夫」3%の順に多かった。虐待者の就労状況は、「正規就労者」(30%)がもっとも多く、次いで「無職」19%、「非正規雇用」19%、「家事専念」12%、という順に回答が多かった。虐待者自身の「心身状況」は、精神病や人格障害などの疑いがある者が45%を占めた。



 虐待に対する子ども・虐待者の認知度・とらえ方も調査されている。まず、虐待を受けた子ども側の認知度・とらえ方は「ひどいことをされた」18%、「自分が悪いから仕方がない」9%、「ひどいことをされたと感じていない」17%、「意思が確認できない・不明」46%、「無回答」11%。一方、虐待者は「虐待を認めない」が34%、「虐待を認める」が31%、「無回答」が35%で、「虐待を認めない」という回答結果が上回った。重傷度と虐待認知度のクロス集計は以下の通り。

 「重症度・命の危険あり」のケースで、虐待した側の認知度は「虐待を認めない」34%、「認める」44%。「重度虐待」では「認めない」47%、「認める」41%。「中度虐待」では「認めない」48%、「認める」37%。「軽度虐待」では「認めない」37%、「認める」35%。「危惧あり」では「認めない」29%、「認める」30%。

 調査結果の全文は、東京都児童相談センター(電話03・3208・1121)が管理している。