連載「安心ひきこもりLIFE」
ひきこもり百名山のひとつ富士山。「日本一の山に登ろう」、そう思うだけで気持ちが高ぶり、心打ち震えるものがあります。それに引き換え、働かなきゃでおなじみのひきこもり就労活動と、それに付随するぼんやり自立支援はいかがなものでしょうか。やりがいのない仕事に、安すぎる給料、うちとけることもない同僚と雇い主。人間が目指す目標として、富士山頂と賃金労働との格差について考えてみてください。
ひきこもりビギナーは就職し、賃金労働者になろうと、就労支援などに飛びつく。富士山における登山ツアーのようなものでしょう。アクシデントがなければこれも少しは価値があるかもしれませんが、平穏無事な人生などなく、完璧な計画も失敗することがある。ツアーガイドはけっして救世主ではありません。一度つまづけば、自分の力でなんとかするしかありません。そもそも学校、会社という親が期待する登山ルートから外れた時点で、すでに「ひきこもり八甲田山」は始まっていたのかもしれません。同じ失敗をぐるぐるとくり返しているのなら、それは就労遭難なのですよ。
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