26年前、「長いあいだ、つらかったね」とわが子に声をかけてくださったのが、まだ名前も知らなかった渡辺先生とのまったく幸運な最初の出会いでした。その当時(今も?)の社会は「登校拒否は本人や家庭の病理」といった考えばかりで、「学校に行けないほうがまとも」とおっしゃる先生の言葉は、ありがたかったものの、あまりにも現実離れした過激なものにしか思えませんでした。それでもこの人だけは、子どもの味方になってくれそうな人だと強く感じられたのです。

 当時、不登校は、その子の"生命の営み”であり"生き方”だと見る、子どもを尊重した考えは皆無でした。けれども「登校拒否を考える会」の会報や講演会に登場する、主体性と誇りを身につけた子どもたちの姿に、先生の考え方の正しさを実感させられてました。私のなかで過激だと見えていたものが、じつに真っ当な基本的にして根本的なものだと気づいていていきました。


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