不登校新聞

269号(2009.7.1)

強烈な問い 胡麻崎ゆう子

2014年02月26日 14:16 by 匿名
2014年02月26日 14:16 by 匿名
 私が渡辺位さんに出会ったのは1989年8月、登校拒否を考える全国合宿に初めて参加したときでした。あの年は宮崎勤青年の事件があり、参加されている親たちは自分の子どもと重ねて考えて不安に思っているようでした。そのとき、渡辺さんが講演の冒頭で「なぜでしょうね。あの青年は学校に行ってたんでしょ。学校に行っている子どもさんの親がうちの子は学校に行っていて大丈夫かと心配せずに、なぜ学校を休んでいる子の親が心配しなくてはいけないんですか」と言われて、会場の空気がふっとなごみました。また、あるお母さんの「どうしたら学校に行くようになるのか」との質問に「どうしてそれほど学校へ行かせたいのですか。それほどだったらあなたが行ったらどうですか」と言われた時、ああそうだと胸にすとんと落ちました。それまでなぜ行けないんだろうばかりが頭から離れなかった私にとって、渡辺さんのお話は目からウロコでした。学校に行けないことを子ども自身が非常に引け目に感じていて自責の念が強いこと、そこから不安神経症のような二次的ともいえる状態が起こってくること。また、生き物としての子どもの自己防衛反応として不登校を捉えることなど、当たり前のことなのに、それが当たり前のこととして考えられずにいるおかしさにも気づかせてもらいました。
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