不登校新聞

381号 (2014.3.1)

第4回 統合失調症の診断、救いは…

2014年03月28日 15:32 by kito-shin
2014年03月28日 15:32 by kito-shin


不登校・統合失調症当事者手記 連載「私に起きたコト」


 一度、統合失調症になってしまうと、再発の可能性は高い、とよく言わます。ただし、きちんとした治療を続けていれば、再発することなく日々を送ることは可能です。私の場合は薬を1カ月ほど飲み忘れて、残念ながら再発してしまいました。就職活動のストレスでしょうか、1カ月のあいだ、記憶が飛んで、そのあいだどうも服薬していなかったようなのです。
 
 実家に戻り、数年のあいだ療養しました。治ってきて、就職の準備をしようと自動車学校に通うと、またも再発しました。教官がとても厳しく指導するところで、半年ほど通いましたが、精神的には耐えられても、病状のほうはそうはいかなかったようです。
 

自分は何もできない その恐怖がいつも

 
 今度は、寝不足でもなく、薬の飲み忘れでもなく、本格的な発病でした。思考能力が極端に衰え、かんたんな漫画の筋すらわからず、九九もできませんでした。もしも「一生残る後遺症」があるとするなら、そのころの「自分は何もできない」というトラウマでしょう。私はつねに怯えながら話すようになりました。今でも、ファミレスの会計などで計算しなければならないとき、汗が出るほど緊張して、計算ができなくなってしまいます。
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