不登校新聞

381号 (2014.3.1)

声 いじめ防止法 たなべ雄一

2014年03月06日 12:36 by kito-shin
2014年03月06日 12:36 by kito-shin


 いじめ対策について、地方議員の立場から所見を述べたい。まず、国の「いじめ防止対策推進法」(以下、防止法)が議員立法として成立したことは地方議員として評価したい。それはいじめ問題とそれを背景とした自死について国会議員が真剣に向き合っていることの証左だからだ。いじめが緊急性の高い事案であることは論を待たない。議員立法でスピード感を持って成立させた意味は大きかったと言える。議員立法でなければあと何年遅れたかわからない。内容についてはさまざまな意見・異論はあるが、基本的施策や調査報告の義務などは大きな成果といえる。なによりも国を挙げて動き出したというのは紛れもない事実だ。

 私は昨年11月定例会で市のいじめ対策について議会質問をした。防止法まかせではなく、現場でのきめ細やかな対応が必要だからだ。市会議員として市民からいじめのご相談をいただくことは少なくない。質問はそれら市民からの相談を基にしている。

 質問の主な内容は、①教師によるいじめ行為の防止、②いじめられている子の保護と支援、③関係諸機関との連携の3点。

 1点目の質問は、防止法で教師によるいじめ行為について触れていないことに疑問を持ったからだ。教師によるいじめ行為は全国的に確認されており、私自身もご相談を受けた経験がある。ある意味で、教師によるいじめ行為は数段深刻だ。教育委員会などで懲戒処分取扱方針に教師によるいじめ行為などを明記する自治体が増えてきていることを踏まえて、名古屋市にも同様の対応を求めた。市教育長は教師によるいじめ行為などがある事実を認め、要望は聞き入れられた。
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