――「親子になる」とはどんなことでしょうか?
そもそも夫婦になるというのは、異文化を持っている二人が生活をともにし、新しい文化をつくるということです。どんな夫婦関係がいいかと言えば、それぞれの文化のちがいを認め合い、対等で、ぶつかりあいながら、そのときどきにどちらかの文化に基づいてことを決断したらいいのかを話し合える夫婦です。しかし、それはとても難しいことです。まして養子を育てるというのは、3つの文化がぶつかり合うということです。私は、里親に「子どもは天使のように可愛くて、みずからあなた方のところに馴染んできてくれるわけではない」と常々言っています。大人から子どもに近づき、まず子どもの文化を受け入れてやらねばなりません。そして今まで築いてきた夫婦だけの生活をたたき壊し、あらためて3本の柱を建てて、新しい家(文化)を造ってほしいわけです。
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