連載「親子ってなんだろ?」
前回に引き続き、箱崎幸恵さんのお話。今回は、「自分の気持ちと向き合う」ことを中心にお聞きした。
――箱崎さんは「自分の気持ち」と向き合う大事さをずっと訴えていますね。
私が19歳のとき、父はガンで入院しました。入院する直前、私に「悪かった」と言ったんです。不意にそう言われて、私は何も言えずに無視してしまったんです。そしてそれが父と交わした最後の言葉になりました。父は入院してすぐに意識がもうろうとなり、そのまま亡くなっていきました。すごく後悔しました。父が「悪かった」と言ったとき、なんでもいいから自分の気持ちをぶつけていればよかった、と。
私は乳ガンという病気を境に気持ちを吐き出し向き合える機会を得ましたが、虐待をした親や里親を希望する親でさえも、やはり「自分の気持ちを抑圧してきた」という経緯がある人が多いように感じています。どんな人でも自分の気持ちと向き合うことが必要だと思っています。
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