この企画は、子ども・若者編集部のあるメンバーが「携帯なんて、なくても……」と豪語したばかりに始まった企画である。生まれたときには携帯が販売されていた世代による「脱文明への挑戦」を読んでもらいたい。

 いまや携帯電話の普及台数は1億台を超え、もはや私たちの生活になくてはならないものとなってしまった。しかし、普及したのはつい20年ほど前から。さまざまな場面で便利な携帯だが、その便利さから抜け出し、文明の利器に頼らないことができるのか。それを実験してみたいと思う。なお、私はひとり暮らしなので、自宅に電話がないとあまりに厳しい。そのため、携帯電話を自宅用電話と同じ扱いとし、いっさい「携帯しない」生活を一週間、送ってみることにした。

 まずは根回し


  さて実験を始める前から根回しがたいへんだ。私が所属する大学サークルでは、連絡事項をすべてメーリングリストで行なう。それがすべて見られない。かつ練習の出欠などの返事や連絡のメールも送ることができない。メンバーに今回のことを伝え、親しい人などにも、実験の趣旨や今後の対応を説明した。

 実験開始1日目。やっぱり、わかっていたことだが、携帯のない生活は非常に不便だ! バンド練習のため、場所や時間を打ち合わせしようにも、とてもめんどう。メールならば複数人にいっせい送信できるのに、電話や直接交渉は、その作業をひとりずつ行なわなければならない。電話をしても出られる人と出られない人がいる。「昼休みに○○教室にきて」と留守電を入れるしかないことも多かった。それでもなお、待ち合わせ場所に来る人と来ない人がいる。そして、私は「今どこにいるの?」の一言が聞くこともできない。

 ささいな幸せに気づくも…



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