連載「親子って何だろ?」


今回は、前号に引き続き、箱崎幸恵さん。前号では、箱崎さんが子ども時代、アルコール依存症の父親との関係に苦しみ、家庭で安心できなかった経験が話された。箱崎さんは成人後、なぜ自分が苦しい家庭環境で暮らさなければいけなかったのか、その理由を探ることになる。今回は、両親を相対化して見れるようになるまでの話を掲載する。

――母親を理解できるようになったきっかけは?
 ライターの仕事の取材で、95年に10代の子どもたちと手紙のやりとりをする「レターカウンセリング」というボランティアがあることを知りました。子どものためになるという点で、すごく惹かれて、私もレターカウンセリングの養成講座を受けたんです。

 養成講座で、まず最初に言われたのが「子どもの気持ちに向き合う前に、自分自身の気持ちと向き合わなくてはならない」ということでした。子どもからの手紙を読んで自分がどう感じたのかに気づく。常識や先入観に縛られず、本当の意味で子どもと共感するためには、絶対にそれが必要なんです。でも、私にはそれができなかったですね。ずーっと感情を抑圧してきましたから。

 それでもなんとか養成講座の課題をクリアしていきましたが、最後の課題で立ち止まってしまって。最後の課題は自己形成史、「自分の子ども時代」を書くこと。でも、どうしても挑戦できないんです。

 病になってふり返り始めた



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