シリーズ「発達障害」


 今回は、発達障害の当事者のお話を掲載する。

――ご自身が発達障害だと診断されたのは?
 2007年9月、25歳のときです。広汎性発達障害で、アスペルガー症候群、二次障害で抑うつがある、と。それまでは、まったく思いもしなかったことでした。

――いま振り返ると、これは発達障害ゆえの困難さだったと思うことは?
 まず、自分の思ったことを伝えることができないんです。先に相手の存在感を敏感に感じてしまって、思ったことを言い出せない。それから、相手の言うことも、うまく読みとれないんですね。場の空気や状況が読みとれない。

 あと、子どものときは「なんで外に出て遊ばないのか」と言われてました。外遊びは苦手で、いつも図書館に逃げてました。

 それから、自分の興味を持ったことには打ち込むんですが、自分が無理だと思ったことはまったくダメです。しかし、学校ではすべてを平均的にやることが求められるので、つらかったですね。

――大人になってからは?
 大卒後、会社に1年半くらい勤めましたが、周囲とコミュニケーションをとれずに孤立してしまって、結局は解雇されました。しかし、いま思えば、会社側の問題でもあると思います。具体的に指示してくれればわかるのに、暗黙知で物事が動きすぎているんです。情報量が少なすぎる。

 その後、求職活動したんですが、何十社も面接したのに、すべて落ちました。一時は派遣社員として働いていましたが、派遣切りにあって、それから半年以上、うつ状態でひきこもっていました。そのころ、精神科医を受診して、発達障害だと診断されたわけです。

――診断によって何か変わりましたか?



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