連載「親子ってなんだろ?」
第5回目の「親・子ってなんだろ?」は、児童養護施設「光の子どもの家」で働く池田祐子さんにうかがった。池田さんは85年の施設設立時以来、スタッフの立場から子どもたちと生活を共にしてきた。
――「光の子どもの家」に関わるきっかけから教えてください。
いきなり期待に添えない答えで申し訳ないのですが、じつは志なんてものはなくてですね(笑)。さまざまな経緯や思いから職員になっている人が多いんですが、私の場合は、ただ自分の家から早く出たかったというのが正直なところです。
私が施設に来たのは18歳。高校生のときに教員から施設を紹介されたのがきっかけでした。ちょうど施設が始まるときでしたね。なので専門的な勉強を積んだわけでもなく、日々、失敗をくり返しながら学んでいます。
――子どもたちは、どんな生活をしていますか?
生活自体はごくふつうだと思いますよ。施設には5軒のホームがあり、そこに子どもたちと職員がいっしょに暮らしています。
ホーム内での特別なルールはありません。常識の範囲内でたがいに暮らしあう、というのが大前提のルールにあるだけです。揉めごとはしょっちゅうですけど(笑)。
人によってさまざまですが、入所直後は「マイナス行動」を起こす子もいます。すごくいい子だったのがだんだん荒れてくる子や、いっぱい食べて吐いてしまう過食気味の子や、攻撃的に接してくる子。2~3歳の幼児でも、そういう行動が出るんです。だから、最初のときはちょっと信じられなかったというか、落ち込むこともありました。
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