連載「記者コラム」
本紙は創刊以来、300名を超す著名人インタビューを紹介してきました。なかには「私も不登校でした」という方もいらっしゃいます。「ザ・ブルーハーツ」の元ドラマー・梶原徹也さんもその一人でした。「ザ・ブルーハーツ」は80年代後半から90年代前半にかけて一世を風靡したバンド。学生時代にドラムを叩いていた私からすれば「憧れのドラマー」です。
梶原さんが不登校になったのは高校2年生のとき。地元の有名進学校に入学し、クラスの学級委員を務めるなど、いわゆる優等生タイプの学生でした。ところが、何事にも手を抜けない性格のため、少しずつ勉強に遅れが出てしまう。最終的には体調を崩し、学校に行けず、家にひきこもってしまったのです。
お話のなかでもっとも印象に残っているのは「ロックは目の前に垂れた1本の糸だった」というエピソードです。銀行員の父からは「学校に行かないなんて、人間のクズだ」と怒鳴られる毎日。「学校に行かない僕はすべてを否定されていた」と当時をふり返る梶原さん。必死にしがみついた「糸」の重さを痛烈に感じた瞬間でした。
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